故郷の皆さん、新年もはや二週間を過ぎました。 遅ればせながら、おめでとうございます。

今年の私の賀状は、以下のようなものでした。


 また私の所属する「朝日関西スクエア21」に寄稿した新年の抱負です。

【2013年に賭ける想い/抱負】
美術展の企画やアートに関わる執筆活動を続け、新聞社とリタイア後合わせ約20年になる。自らに課していた「卒論」として、足で書いた美術書の新刊を今春に刊行したい。そして「3・11」後の原発事故による核の脅威と右傾化する政治状況や、高齢化社会へ向けジャーナリストとしての「答え」も探りたい。

フェルメールからマンガまで網羅、3月に新刊

展覧会が10倍楽しくなる! 『アート鑑賞の玉手箱』

さて、これまでも私の著書について、ご支援いただいていますが、新春3月に私にとって12冊目が刊行されます。 タイトルは、展覧会が10倍楽しくなる!『アート鑑賞の玉手箱』(東京・梧桐書院)です。

新刊の趣旨と構成は次の通りです。

【新刊の趣旨】

生活が豊かになりアートへの関心が高まり、美術館が次々生まれ、デパートも展覧会事業に参入した。ところが高度成長の挫折で、過剰な市場は一気に冷え込み、長らく「美術館冬の時代」と言われてきた。
いま私たちを取り巻く生活環境や国際情勢、政治・経済状況はめまぐるしく変化している。先行きの不透明な時代、普遍的な価値をもつアートはより重要なファクターになってきた。時代が混迷すればするほど、時代を表現するアートの魅力は高まる。試練を超え、新たな転換期を迎えている。
奥の深いアートの世界はどのように動いているのだろうか。美術館の抱える課題は何なのか。創作した人は亡くなっても絶えない作品の魅力は、そして何より現代に生きるアーティストたちの挑戦は…。
興味の尽きない「アートの世界」を、新聞社の企画事業に長年かかわり、その後も文化ジャ-ナリスとして追跡する筆者が、美術館や展覧会の現況や課題、作家の精神や鑑賞のあり方、さらに世界の美術紀行まで幅広く報告する。

【構成と内容】
 第一章 アートを支え、伝える
     Ⅰ 東西二人の画廊主の心と眼
      1 「西」の山木武夫、その情熱と挑戦
      2 「東」の藤井公博、その先見と執念
     Ⅱ 展覧会への夢、陰の支え役
      1 学芸員の執念、四半世紀かけ村山槐多展
      2 元新聞社企画マン、企画展へ熱い思い
     Ⅲ 美術館の誕生・リニューアル誕生物語
      1 作品集結!横尾忠則現代美術館がオープン
      2 日本初の仏教総合博物館、龍谷ミュージアム
      3 一新、東京都美術館と東京ステーションギャラリー
     Ⅳ ふんばる企業ミュージアム
      1 アートを身近に、街中のBBプラザ美術館
      2 増設充実のアサヒビール大山崎山荘美術館
 第二章 多種多彩、百花繚乱の展覧会
     Ⅰ 客呼べる名画、魅力的な海外美術館展
      1 饗宴!フェルメールとレンブラント
      2 「こうして私はゴッホになった」
      3 「愛の画家」シャガールはなぜ愛される
      4 グレコ大回顧展、コローやモディリアーニも
      5 ヨーロッパ、二地方美術館の名コレクション
     Ⅱ 伝統の美、日常の美
      1 民藝と通じるウイリアムモリスの「美」
      2 洋の東西の陶芸展に新たな視点
      3「郷愁の人形」「至芸のアプリケ」
     Ⅲ どっこい根強い人気、仏教・寺社展
      1 驚異的な集客「阿修羅」と「日光・月光」
      2 混迷の時代に京都で法然、親鸞展
      3 仏教伝来のルーツを考える企画展
 第三章 アーティストの精神と挑戦
     Ⅰ 「時」を語り、「時」を描く中西繁
     Ⅱ 壺男・山村幸則と大理石男・杉本利延
     Ⅲ 二世の天性、森口ゆたか、樂雅臣、今井龍満
     Ⅳ たたきあげの技と力量、藤嵜一正と山城健司
     Ⅴ 切り拓いた表現の境地、坪田政彦と生形貴春
     Ⅵ 美術界を牽引するメッセンジャ
      1 見えないものを表現、河口龍夫と植松奎二
      2 女装もする全身芸術家、森村泰昌と榎忠
      3 「夢」を伝える個性派、絹谷幸二と黒田征太郎
 第四章 迫力満点、現代美術家のメッセージ
     Ⅰ 奔放自在、前衛芸術家の草間彌生
     Ⅱ 時代を告発し続けたベン・シャーン
     Ⅲ ピカソを超えた男、ジャクソン・ポロック
     Ⅳ 先住民の原始美術、エミリー・ウングワレー
     Ⅴ 壮大な挑戦、ヒロシマ賞受賞の蔡國強
 第五章 味わい深い日本の作家
     Ⅰ 気品ある作風、小磯良平と佐藤忠良
     Ⅱ 「内」なる美への執念、岸田劉生
     Ⅲ 日本画壇の風雲児、中村正義
     Ⅳ 奄美を描いた孤高の画家、田中一村
     Ⅴ 次世代へ美を描き、美を救った平山郁夫
 第六章 展覧会、新たな潮流
     Ⅰ いまを時めく「アニメ恐るべし」
     Ⅱ マンガ・ワールドの広がりと面白さ
     Ⅲ 絵本の世界は、こんなにも豊かだ
         Ⅳ 「アール・ブリュット」とは?その現在
 第七章 「美」と世界遺産を巡る旅
     Ⅰ 「叫び」のムンクが目にした光景
     Ⅱ 平和の尊さ訴えるピカソの「ゲルニカ」
     Ⅲ モネ、「睡蓮」の庭と連作展示室
     Ⅳ 壮大な古代の芸術、パルテノン
     Ⅴ マチュピチュとインカ文明
     Ⅵ トルコ、トプカピ宮殿と世界遺産考
 第八章 美術館の役割と、アートの展開
     Ⅰ 公立館のひと味違った展覧会に注目
     Ⅱ 白紙に戻った大阪市立近代美術館構想
      Ⅲ 活路を求めるアート、新たな動向や試み


■フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」

■中西繁の「南三陸」

■水玉いっぱいの草間彌生展の展示室

■与勇輝の人形「梅香る」

■水木しげるの「妖怪大決戦」の一場面

白鳥正夫の
えんとつ山
ぶんか考

新年のご挨拶と今年の抱負